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2023.11.28 日常から災害時まで 医療的ケア児家庭の頼れるパートナーに「医ケア児おやこよりそいチャット」スタート(認定NPO法人フローレンス)

助成先団体の活動内容や被災した地域の子どもたちの今の課題をご紹介する連載シリーズ。

今回は、宮城県仙台市で、子ども子育てに関する課題解決のために活動する「認定NPO法人フローレンス」です。保育園の運営に加え、障害児・医療的ケア児のお預かりや交流イベント、専業主婦(夫)家庭の保育園利用などに力を入れるフローレンス仙台支社。被災した地域特有の課題に取り組む、フローレンス仙台支社事務局 笹浪麻衣さんにお話を伺いました。

認定NPO法人 フローレンス仙台支社事務局 笹浪麻衣さん

宮城県仙台市出身。2児の母。第一子出産後に孤独な子育てを経験する中、第一子が1歳0ヶ月で保育園に入園。社会で一緒に子育てをしてもらい、子育ての仲間が増えることで救われた経験を持つ。よりこの地域の人たちが「社会で子育て」ができるようにという想いで活動中。

仙台市に150人超の医療的ケア児 宅食を通じて親子に寄り添う

医療の進歩によって、日常的な医療ケアが必要な児童「医療的ケア児」は年々増加しており、仙台市内だけでも現在157人が暮らしています。(2023年8月発表 宮城県調査より)ご家庭では24時間365日のケアが行われており、日々の生活にまつわる悩みを抱えられることも多いです。

私たちは、ハタチ基金の助成で、仙台市内にお住まいの医療的ケア児の支援(LINE相談や宅食支援)を行っています。医療的ケア児のいるご家庭とLINEで繋がり、無料で子育てや生活に関する相談支援や情報提供を行う「医ケア児おやこよりそいチャット」を助成により立ち上げることができました。チャット相談に加え、「医ケア児おやこ給食便」という宅食も同時に行っております。食事や食材をお届けするほか、見守り・対面での相談支援という側面もあります。

「医ケア児おやこ給食便」で届けている食材の一例。「みやぎ生活協同組合」に食材選定の協力をしてもらっている。

あのときの災害が再び起きたら…地域の人たちやサービスとの繋がりが不安を解消する

医療的ケア児は人工呼吸器など電源が必要なケアを日常で使用しています。そのため、東日本大震災を機に災害への備えが重要という意識が当事者に広がると同時に、皆さんの不安も大きくなっています。地域の各家庭は理解しているものの、実際の経験から「あのときのような災害がまた起きたら」という思いを抱えているのです。震災当時は、電源が確保できずに命の不安と苦労の中過ごした家族がたくさんいらっしゃいました。現在も、備えの大切さを理解しながらも、実際の備えは各家庭でバラつきがあります。

食材を届けに行くスタッフ。お届けと同時に、定期的にご家庭の見守りも行っている。

そんな中、災害への備えについて相談ができたり、万一の災害時にも相談先となり寄り添うことができる地域のサービスとの繋がりは大きいものです。医ケア児おやこよりそいチャットや地域の障害福祉サービスを日常から利用してもらうことで、「相談できるところがある」という安心の中生活することが大切だと考えています。

今回、ハタチ基金の助成をいただき「医ケア児おやこよりそいチャット」を立ち上げるにあたり、多くの方々に知ってもらうために仙台市で記者会見を行いました。たくさんの地元メディアが医療的ケア児について報道をしてくださり、社会的な認知度も以前と比べて高まっているように思います。まずは「地域に医療的ケアが必要な子どもたちがいる」と知ってもらうことが、日々の地域の支援の輪を広げるきっかけとなり、防災にも繋がるのではないかと思います。

寄付者の皆さんへのメッセージ

東日本大震災から10年以上が経過する中、東北地域への温かいご支援をいただき誠にありがとうございます。障害児・医療的ケア児を取り巻く環境には依然課題が山積している中、色んなご家庭が社会で一緒に子育てをしていけることを目指して活動をしていきます。今後もご支援いただけますと幸いです。

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