2021.03.10
2021年度にハタチ基金の助成先団体となった、一般社団法人いわて圏。岩手の地域振興につながる公益的・社会的事業のプロジェクトパートナーとして、県内自治体をはじめ、各種団体、民間企業等と連携し、政策案件やプロジェクトを担う活動を行っています。
中でも、今全国的にも注目されている、高校生を対象としたマイプロジェクトの支援を通して、“学びの生態系づくり”にも注力しています。岩手の高校生の多様な学びを支えるいわて圏の活動をご紹介します。
■全国のマイプロジェクトを発表する祭典「マイプロジェクトアワード」
マイプロジェクトは、身の回りの課題や関心をテーマにプロジェクトを立ち上げ、実行することを通して学ぶ、 探究型学習プログラム。地域や身の回りの課題などを通して、高校生自らがテーマを決めて探究していく取り組みです。2022年度から、学習指導要領の改定に伴い、「総合的な探究の時間」が高校で必修化されたことによって、ますます注目されています。
2022年1月に「全国高校生MY PROJECT AWARD 2021 (以下、マイプロジェクトアワード)」の県内大会 ”岩手県Summit ” が開催されました。(主催:マイプロジェクト岩手実行委員会、共催:岩手県立大学、後援:岩手県教育委員会)
この大会は、自ら気づいた問いを探求し、実際に行動してきた高校生のための「実践型探究学習アワード」活動の発表や、参加者との対話を通して次の一歩を考える、新しい学びや気づきがたくさん得られる祭典が、全国各地で開催され、岩手でも行われました。
いわて圏は、認定特定非営利活動法人カタリバと連携し、高校における実践型探究学習「全国高校生マイプロジェクト」の岩手の地域パートナーとして、2021年度から 岩手県Summitの運営に携わりました。
今回で4回目の岩手県Summitには、県内17の高校から102名の高校生が集結し、71プロジェクトの発表や参加者との対話を通して次の探究内容を考えました。71プロジェクトが12チームに分かれ、チームごとにセッションを開始。各チームには、岩手にゆかりのある28名の大人たちもサポーターやファシリテーターとして参加し、プロジェクトや地域について対話や議論が行われました。
■参加した高校生の声
参加した高校生にとったアンケートでは、自分たちの地域だけではなく、他の地域や高校生や大人、様々な人たちの考えを知る機会になったという声が多く寄せられました。
「同じ高校生の方に意見や感想を貰えたし、大人の方からもフィードバックを貰えた。さらに他の高校の方たちの活動を知り、自分たちの活動にも活かしていきたいと思えた。」
「”高校生の活動”と一括りにできないほど多種多様な視点で活動している人が多かった。高校に入ってから外部との交流ができなかったので、このような機会をいただけて他地域の方のお話を聞けて楽しかった。」
これまでの活動範囲では見えていなかった”今後に向けてのヒント”が見つかるような、地域と学校を超えた学び合いの場となり、私たちにとってもさらに活動内容をブラッシュアップする素晴らしい機会となりました。
■2022年度の活動について
2022年度からは、岩手県内の高校生がマイプロジェクトを通じた多様な学びが得られる環境を構築することを目的に、後発地域での普及と、県内全域でマイプロジェクトを実践する高校生と、高校生をバックアップをする伴走者の支援体制を確立するための取り組みを行います。
学習指導要領の改定に伴い探究学習が必修化された今も、十分な理解と経験が得られていない高校が多く、探究学習の授業実践やプログラムづくりに混乱している傾向があります。さらに、学業と部活の両立で多忙な環境や、様々な体験とインプットが得にくい環境で高校生の主体的な学びが得られないことも課題です。
今年度取り組む、高校生の探究学習やマイプロジェクト支援を起点とした、“学びの生態系づくり”によって、これからの時代にあった高校生の多様な学びの環境が構築されることを目指して活動をしてまいります。