ハタチ基金の支援団体の一つである認定NPO法人カタリバが運営するコラボ・スクールは、東日本大震災で被災した子どもたちのための放課後学校です。
地震による被害が最も激しかった地域のひとつである 宮城県女川町と岩手県大槌町の2地域で運営。
震災により落ち着いて学ぶ場所を失った子どもたちに、 学習支援と心のケアを行っています。
今回のメルマガでは、コラボ・スクール大槌臨学舎での、小学生のとあるチャレンジについてご紹介します。
初夏の陽気を感じつつも、朝晩は肌寒い岩手県大槌町。
新学期にも慣れてきた4月下旬のある日、カタリバが運営する放課後学校「コラボ・スクール大槌臨学舎」に、4年生が緊張した様子でやってきました。
なぜなら、今日は子どもたちが約2ヶ月間、「全員で取り組んできたこと」を発表する日だからです。
その全員で取り組んできたこととは、「みんなで英語で朗読すること」。
このプロジェクトは、遡ること2ヶ月前、2月から始まりました。
たくさんの英語の絵本の中から、全員で話し合った結果、「ファインディング ニモ」を朗読することに。
まずは日本語で物語を理解してから、全員で役割を決めました。
役割は、主人公、友達、お父さん、ナレーターまで様々。
役割を決めた後は、それぞれ英語のセリフを練習を重ねていきました。
最後の練習日では、それぞれが役になりきるためにお面をつくり、準備万端な様子です。
そして迎えた本番。
5・6年生をゲストに迎え、いつもの教室は、一気にステージに立ったかのような緊張感。
「This is the story of Nemo’s amazing adventure.」
「Dad! Hurry up! Let’s go to school!」
………
終わると、大きな拍手と共に、全員の顔が明るくなりました。
実はこの授業を子どもたちが一生懸命に取り組めたのには、子どもたち自身が、以前このクラスの目標を立てたことが背景にありました。
「楽しくて思いやりのあるコラボ」
「仲良く明るいコラボ」
今でも教室に掲示してある、自ら生み出した言葉。
思いやりがあって仲の良いクラスにしたいから、全員で協力して朗読をする。
楽しいクラスにしたいから、楽しいお話を読んで、本番にはお面をつけよう。
そんな思いから始まったこの授業は、まさに授業を自分ごと化して、主体的に取り組めていたように感じます。
そして、今回の英語の朗読は、子どもたちにとても良い変化をもたらしているようです。
例えば、互いに「この子はこういう子だから」とこれまであまり話さなかった同士も、朗読を通して新たな一面が発見でき、互いに一歩近づけた様子でした。
自分たちの授業を、自分たちでやってみること。
これからも、またどんな「やりたい!」がでてくるのか、楽しみです。
■大槌臨学舎のブログはこちらから
https://www.collabo-school.net/news/otsuchi/2018/06/04/22513/
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