2020.03.26
去る2014年6月7日(土)、
ハタチ基金3周年記念復興フォーラムを日本財団ビルにて開催いたしました。
雨の中、80名近くの方にご参加頂き、2013年度の支援活動の報告、
そして、支援事例を語り合うオープンマイクセッションを行いました。
当日の様子をレポートにて2回に分けてご報告いたします。ぜひご覧下さい。
フォーラムの司会は、
岩手・大船渡出身であるNPOカタリバ学生インターンの千葉がつとめました。
はじめに、ハタチ基金の幹事・NPOカタリバ代表理事の今村より、
開催のご挨拶をさせて頂きました。
「ハタチ基金は、東日本大震災直後に、様々な方に参画してもらい、
子どもたちのために息の長い活動をしていこうという思いで立ち上げました。」
「こういう場だからこそ、厳しい意見も頂くべきだと思っています。
参加して頂いている皆さんと、次のハタチ基金を見いだす機会にしたいと思います。」
続いて、日本財団の青柳より、
ハタチ基金の2013年度の会計報告(速報版)を行いました。
「単年度で186,638,000円の寄付をお預かりしました。
3年目でも大きく寄付金が伸びているのがハタチ基金の特徴。
年々減ってしまうのが一般的であるが、みなさまのおかげで増えつづけています。」
とご報告とともに感謝の意をお伝えしました。
(※会計報告の詳細は8月初旬発行予定の活動報告書をお待ちください。)
次に、各団体の責任者より現場の声を交え、2013年度の活動報告を行いました。
【1】認定特定非営利活動法人フローレンス
フローレンスでは、被災地にて『ふくしまインドアパーク』と
『希望のゼミ』の2つの事業に取り組んでいます。
※ハタチ基金からの活動費支援は『ふくしまインドアパーク』のみ。
『ふくしまインドアパーク』は放射能の不安で外で遊べない子ども達が
安心して遊べる場所を提供する目的で開園されました。
「郡山園は今年5月で3万人来場達成し、
地域のみなさんに愛される施設となっています。」
「南相馬園は南相馬市が運営する屋内公園が完成した事をうけて、14年3月に閉園。
1年半で6,221人の子どもが遊びに来てくれました。」
最後に今年度の新たなチャレンジについて、寄付者の方にお伝えしました。
「今年度は新しい被災地プロジェクト検討中です。
被災した東北の中心地である仙台では復興が進む中、多くの待機児童を抱えています。
保育園の不足で働けずにいる親御さんをサポートし、
経済的な復興を下支えする仕組みを構築したいと考えています。」
【2】特定非営利活動法人トイボックス
発達障がいを持つ福島の子どもたちへの支援を目的とした
『みなみそうまラーニングセンター』を運営している白井代表より発表を行いました。
「震災後、我々にできることできないかと現地で探して回っている最中に、
南相馬市の発達支援室長より「すぐに来てほしい」とお電話がありました。
それから、様々な人の想いが重なって、
『みなみそうまラーニングセンター』を開所させていただきました。」
途中、『みなみそうまラーニングセンター』の子ども達との中継も行いました。
白井:「ラーニングセンターはどうですか。勉強も大分できるようになったよね」
子ども:「みんなでドッチボールしたり楽しい。勉強もできるようになった。」
白井:「将来の夢はなんですか。」
子ども:「ラーニングセンターの先生になるのが夢」
「こういう子ども達のために、
この場所を継続して行かなければならないと思っています。
地域を担っていく子ども達を地道に育てていきたい、
そのためにも活動を継続していきたい。
引き続き、応援をよろしくお願いいたします。」と思いを語られました。
【3】公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン
チャンス・フォー・チルドレン(以下CFC)では、
塾や習い事で利用できるバウチャー(クーポン券)を提供しています。
単にクーポンを配るだけではなく、子どもたちと電話面談し相談役となる、
ブラザーシスターという大学生ボランティアを配置しています。
今井代表による発表では、岩手県の山田町で小学生の時に被災し、
3年間、バウチャーを利用してきた生徒によるビデオレターが紹介されました。
<ビデオレター(一部抜粋)>
“CFCのお陰で、震災前から通っていた公文に通うことができ
勉学に励む事ができました。
県内で一番の高校進学を目標に、誰よりも努力すると自分に誓って頑張った結果、
第一志望校に進学する事ができました。
将来の夢は具体的には決まっていないが、
震災でお世話になった人に恩返しをすること。
決して自分の力ではないという事を絶対に忘れません。
これからも新たな目標にむかって前進していきます。”
一方、今井代表は被災地の厳しい現状についても言及し、
「今年、160名のバウチャー定員枠に対して、
過去最大の1,791件の応募がありました。まだまだ支援が届いていなくて、
可能性の芽をつぶされそうになっている子どもたちもいます。
これからもみなさんと一緒に活動していければと思っています。」と結ばれました。
【4】認定特定非営利活動法人カタリバ
『コラボ・スクール』、(宮城・女川向学館、岩手・大槌臨学舎)、
リーダーシップ教育を目的とした『未来創造事業』を行っています。
当日は、大槌臨学舎に中学生時代から通い、
現在はマイプロジェクトに取り組んでいる生徒が、
自らの成長について直接、参加者の前で発表を行いました。
<生徒の発表(一部抜粋)>
“震災直後は学校にいくのが面倒臭くなり、
学校をさぼっていました。今思うと、なぜ行かなかったんだろうと思うが、
友達と遊んで、家でぼーっとしている中学校生活でした。
そんな折、コラボ・スクールのスタッフが「やくそく旅行」に誘ってくれました。
これまでの人生で経験したことがないような事をたくさん経験でき、
この「やくそく旅行」を機に、自分が変わっていきました。
最近1つ目標ができました。児童養護施設の子どもたちや、
家庭の問題で苦しむ人を助けたいと思っています。
こんなふうに思える成長のきっかけをコラボ・スクールはくれました。
コラボ・スクールが大槌町にあることをとても感謝しています。
これからも頑張るので、遠くから応援をよろしくお願いします。”
彼女の言葉を受け、今村はまとめとして今後のビジョンについてこう述べました。
「必要なのは、地域と力をあわせてまちの教育力を上げるべく連携すること。
日本中の方々がここの教育モデルを参考にしたいと思えるようなものに
していきたいと思っています。」
(後編に続く。)
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