2021.02.25
※ハタチ基金支援各団体の活動報告は、【前編】をご覧下さい。
活動報告の後には、「これからの復興と教育支援」について、
パネルディスカッションを行いました。
写真右から、ファシリテーター認定特定非営利活動法人フローレンス 代表理事 駒崎弘樹。
パネリストは5名。ハタチ基金の活動団体からも2名が代表して登壇しました。
・民主党参議院議員 鈴木寛氏
・自民党衆議院議員 逢沢一郎氏
・評論家 荻上チキ氏
・特定非営利活動法人トイボックス 代表理事 白井智子
・一般社団法人チャンス・フォー・チルドレン スーパーバイザー 能島裕介
■
「復興の進捗はどのような状況でしょうか?」
「現在の課題はなんですか?」
「課題解決のために、何が必要ですか?」
評論家、政治家など異なる立場から様々な議論をしていきました。
一部、抜粋してお伝えします。
荻上氏「時間が経ち、被災地の問題が複雑化していくのと逆行して、
メディア報道が減少していく。資金も集まり難くなっていく。
弱者や課題の顕在化が震災で明らかになった。
阪神大震災の10年後でも孤立死問題は続いた。
これから解決されない問題が放置されておきざりにされていく。
問題を放置せず、長期的ケアが大事。」
逢沢氏「一番問題なのは、被災地の役場の人手が圧倒的に足りないこと。
合意形成を作り出す役人や技術を提供する役人が必要だが、
行政のプロセスに被災地の基礎自治体は本当に苦労している。」
鈴木氏「行政による問題解決の得意な面は、一律の標準化されたサービス。
一方不得意な面は一人一人のニーズに対応すること。NPOなどの力が必要。」
駒崎「日本の寄付税制。実は日本は制度上、最も寄付のメリットが高い国。
ただ知られていないのでこれから知ってもらうのが課題。」
現場からも活動を通じて必要だと考えていることを伝えました。
能島「経済的に厳しい子どもたちが多い。回復はあると予想されていたが、
直近でも1000名を超えるCFCクーポンの募集があった。
中高生になると家計状況に敏感になり、高校・大学進学を諦めてしまう傾向もある。
奨学金の情報も提供できていない。被災地では雇用の問題も深刻。
CFCの活動は、CFCクーポンを受け取った教育事業者は収入を得れるため、
地元経済の復興にもつながる。教育産業の雇用もはかっていきたい」
白井「福島の最大の課題は、支援の担い手不足。
福島という原発事故、放射線の問題で支援が躊躇われる傾向がある。
補償金や支援金で働かなくても生活できる状態の継続は、
健全でなく精神などへ悪影響を持つ。
支援する人が入れ替わってしまうと、説明している間に鬱になってしまう。
長期的な支援者が不可欠」
南相馬からも、南相馬市発達支援室長の山田氏もかけつけ、お話し頂きました。
逢沢氏「継続した支援や合意形成を行う主たる役割は、行政。
でも、NPOや地域コミュニティのクラブや団体が喚起をすることが大事。
喚起するには、メディアの力。撮った映像が埃を被っているんだから、
それをどんどん出して3.11の気持ちを思い出すことが求められている」
鈴木氏「メディアの問題も大きい。東京の商業メディアが取り上げる問題と
現場で重要視される問題の乖離が大きくなっている。
福島は、放射線だけでなく発達障害、虐待など複数の問題が起きているが取り上げら
れない。
コミュニティメディアに期待」
荻上氏「今回は教育支援がメインテーマだけど、支援教育が大事だと最近思っている。
メディアは、視聴率がとれない災害問題は取り上げないが、
それは見ない視聴者のフィードバックがないと変われない。
そうした文化をどう作るかが大事だ。」
行政やメディアをダメだと批判するのではなく、
自分ならこうすると、ポジティブに意見を出す「ポジ出し」が大切だとの荻上氏の発言から、
「いま私たちに出来ること」について、会場の参加者にも意見を求めました。
■
直接、東北で活動することは難しいけれど、
「商品を買ったりして、自分ができる範囲での支援をしていきたい。」というご意見から、
「こういったシンポジウムやボランティアに行って、その結果を報告する。
Facebookの『いいね!』で広めていく。
現地での生の情報を踏まえて、それぞれのいいところを見つけていく。」など、
アンケートでもたくさんの方から自分ごととして「発信すること」を挙げて頂きました。
また、地元が被災地の内陸部であるという参加者からは、このような意見もありました。
「被災地の内陸部では傷を追っていないのに支援を受けた。
当事者である内陸部の支援者は少ない。
その県のこととして、内陸部の人たちへ声を挙げていきたいと思います」
最後には、パネリストからも「いま私たちに出来ること」を宣言。
鈴木氏からは、「みなさんの支援策、アクションの提示に感動した。
これは、新しい文化の創造につながる。その初日を共有できたことに嬉しく思った」と、
参加者へ向けてのメッセージも頂きました。
行政やメディアをダメだと批判するのではなく、
自分ならこうすると、ポジティブに意見を出す「ポジ出し」が大切だとの荻上氏の発言から、
「いま私たちに出来ること」について、会場の参加者にも意見を求めました。
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直接、東北で活動することは難しいけれど、
「商品を買ったりして、自分ができる範囲での支援をしていきたい。」というご意見から、
「こういったシンポジウムやボランティアに行って、その結果を報告する。
Facebookの『いいね!』で広めていく。
現地での生の情報を踏まえて、それぞれのいいところを見つけていく。」など、
アンケートでもたくさんの方から自分ごととして「発信すること」を挙げて頂きました。
また、地元が被災地の内陸部であるという参加者からは、このような意見もありました。
「被災地の内陸部では傷を追っていないのに支援を受けた。
当事者である内陸部の支援者は少ない。
その県のこととして、内陸部の人たちへ声を挙げていきたいと思います」
最後には、パネリストからも「いま私たちに出来ること」を宣言。
鈴木氏からは、「みなさんの支援策、アクションの提示に感動した。
これは、新しい文化の創造につながる。その初日を共有できたことに嬉しく思った」と、
参加者へ向けてのメッセージも頂きました。
ご参加頂いた皆様、またUstreamやTwitterにてご覧頂き、
発信頂いた皆様、本当にありがとうございました。
▼Twitterのまとめはこちらからご覧頂けます。
http://togetter.com/li/516567
▼Ustreamの動画はこちらです。
http://www.ustream.tv/recorded/34006755
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「被災地は近い将来の日本の姿、日本が抱える問題があることは確か。
被災地の20年先をどうみるのか?震災にあった子どもたち、
支援した子どもたちがどのように町を復興させていくのか。この視点が重要です。」
ハタチ基金を代表して、CFC能島が発言したように、
震災を経験していない人たちにとっても、震災はけして他人ごとではありません。
だからこそ、今回のシンポジウムでは、
参加者1人ひとりが当事者意識を持って、「今、私たちができること」を考え、
一歩踏み出すことの大切さを伝えることができればと、
子どもたちへの活動の報告だけでなくパネルディスカッションの場を設けました。
ぜひこのシンポジウムをきかっけに、
皆様も、自分にできることを考え、これからの復興を、
この国の未来を支える担い手となれる可能性を秘めた子どもたちを、
一緒に支えて頂ければ幸いです。
<支援例>
・シンポジウムのことを友人に話す。
・FacebookやTwitterなどで発信する。
・寄附をする。
・チャリティーイベントや商品をつくる、または参加・買う。
・ボランティアをする。など、
ハタチ基金へのご支援もどうぞよろしくお願いいたします。
▼呼びかけ人とは?
http://hatachikikin.com/shien_personal