ハタチ基金の助成先団体のひとつである認定NPO法人フローレンスの「おうち保育園仙台」では、『ほいくえん子ども食堂』が開催されています。
保育園内での子ども食堂のオープンは仙台エリアでは初めての取り組みです。
保育所との連携により親子に自然なかたちで伴走できるサポートシステムとして、また親子と地域住民をつなぐ多様な交流機会の場作りとして、機能していくことを目指しています。
夫婦共働きや単身世帯の増加が当たり前の時代となり、家族を取り巻く環境が様変わりしている昨今。
その中で、食卓を囲むことが家族の絆を深める場としている一方、孤食の恒常化が問題となっています。その裏側には、「孤独な子育て」や「家事負担」といった悩みを抱え、社会支援を必要とするご家庭も多くなっているのが現状です。
このような様々な課題を抱えた子育て家庭が社会から孤立してしまわないよう、地域と繋がりを持ち続けることが重要です。そこでフローレンスが着目したのが、「保育園」でした。
地域に複数ある保育園は地域の子育て情報が集まり、行政機関とも密に連携しているため子育て支援の場として非常に適しています。子育て支援事業者であるフローレンスは、地域の保育園が親子のセーフティネットになることを目指し、その1つの機能として2019年に仙台市内では初の試みとなる、保育園内で開催する子ども食堂をオープンしました。
認可保育園内で子ども食堂開催に至るまでのいくつもの壁
1.「認可」というハードル
認可保育園で子ども食堂を開催する一番のハードルは、自治体との連携です。フローレンスの子ども食堂の活動は、当初は企業主導型保育園「おうち保育園かしわぎ」を拠点にしていました。
しかし、保育園で子ども食堂を開催し、親子のセーフティネットとなるよう、より多くの地域に広めていく上では、認可保育園内での子ども食堂開催の実現は1つの目標でもありました。
認可園の運営は、自治体から施設の設備や面積などの基準について、細かく指定を受けています。そのため、行政の指示を仰ぎながら何度も調整を繰り返し、1つ1つの課題をクリアしていくことで、2020年にようやく、認可園「おうち保育園こうとう台」での子ども食堂開催が実現しました!
2.持続可能な子育て支援の実現
園内で子ども食堂を運営していく上で、次に大きな課題となったのが、人員です。
子ども食堂を運営するメンバーには保育スタッフを始めとする、園を支えるスタッフ達が中心となり活動を行っています。しかし、日々の保育に加えて子ども食堂を運営しているため、活動人員は限られています。
そこで子ども食堂を支え、活躍してくれているのが、学生ボランティアの皆さんです。これまでに、のべ41名の学生ボランティアが参加してくれています。
ボランティアでは、学習支援、お子さんの見守りや絵本の読み聞かせ、手作りおやつに子どもたちと挑戦する等、さまざまなサポートを行ってくれています。
このように地域ボランティアの協力を得ることで、限られた人員でも持続可能な子育て支援が行えています。
(※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、現在は必要最低限のスタッフ体制で運営しております)
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(利用者の声)
何度か利用させていただいてます。普段は自分が家族の夕ご飯を作っている時間が、子ども食堂がある日は家族一緒にお散歩をしながらお弁当を取りに行く時間となり、とても楽しいひとときです。いつも美味しいお弁当ありがとうございます。
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子ども食堂利用者の方から、このような嬉しい声もいただきスタッフ一同とても励みになりました!
同時に、世の中が大変な時にこそ継続した支援・活動を行うことで、1人でも多くの親子の笑顔につながっていくのだと気が引き締まる思いです。
おうち保育園仙台では、このような子育て支援の輪が全国の保育事業者の皆さんに広まっていくことを願い、これからも支援活動を続けていきます!