2013.11.20
ハタチ基金支援各団体の活動報告は【前編】をご覧下さい。
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活動報告に続いて、3年間、ハタチ基金及び支援実施団体を支えて下さった支援者の皆様がどの様な支援活動を行ってきたのか、また、どのような思いで支援されてきたのかを共有しあうオープンマイクセッションを行いました。企業、行政、呼びかけ人(個人の継続寄付者)など、それぞれの立場から様々な意見が飛び交いました。
一部、抜粋してお伝えします。
ファシリテーターは、ハタチ基金幹事・フローレンス代表理事である駒崎がつとめました。
▼ソフトバンクグループ通信3社 CSR企画部 部長 公益財団法人 東日本大震災復興支援財団 シニアアドバイザー 池田 昌人様
「震災直後、マーケティング担当からCSR担当に異動したが、何をやって良いか全く分からない状態でした。その中で、どうすれば支援先を継続的に支援できるか、どうやったら団体の活動を維持するために寄付を集められるのかを考えながら活動をしています。」
「一企業として寄付などの支援を続けて行く事は非常に難しいと3年経って改めて感じています。ソフトバンクモバイルの『チャリティホワイト』という募金サービスの様に、少額でも多くの方から継続して支援を募ることが大切だと思います。そのため『かざして募金』という、非営利活動をされている多くのNPO団体等が継続型の小額で寄付を集められる新たな支援の仕組みを作りました。」
▼ダイドードリンコ株式会社 広報・IR部 広報・CSRグループ 石原 澄人様
「継続的な復興支援を方針に掲げ、被災した子供達を中心に支援を実施しております。
具体的には、「ハタチ基金」への寄付など経済的な支援を実施するとともに、活動を伴う支援として「踊育(だんいく)‐東北ダンスプロジェクト‐」※1という活動を実施しております。この活動は、被災地の子供達が体を動かす場所や機会が少なく、ストレスが溜まっているという状況や、学校教育においてダンスが必修科目となったということもあり、「ダンスを通して明るく元気になってほしい」との願いから生まれたものです。
公益社団法人日本ストリートダンススタジオ協会の協力を得て、岩手県、宮城県、福島県の小学校を中心とした、約100校を対象に実施しております。」
「また、東北復興支援の継続については、代表取締役社長の髙松が、本年4月に宮城県の村井知事を、5月に福島県の村田副知事を表敬訪問し、継続する旨をお伝えしました。」
※1「踊育(だんいく)‐東北ダンスプロジェクト‐」を多角化し、福島県の2歳~4歳の子供達に対して、「親子ヒップホップ教室」を『ふくしまインドアパーク』で定期的に実施して頂いています。
▼ONE TENTH(ワンテンス)project 舘林 観琶子様
「静岡県を中心とした美容師によるボランティアチームで、年2回、子どものカットを一人1000円で行い、そこでいただいたお金をハタチ基金(コラボ・スクール事業)に寄付させて頂いています。60サロン、450人の美容師がこの活動に参加してくれており、自分の力を活かしてお客様をきれいにしながら、いただいたお金で、社会貢献をするという形をとらせて頂いています。」
▼株式会社ホッタ 代表取締役社長 堀田峰明様
「スイスやドイツから時計屋宝飾品を輸入して販売していますが、震災直後、ドイツの取引先から復興支援をしたいと相談されました。最初は別の団体に寄付をしていましたが、どういう風にお金が使われているかきちんと説明ができる支援をしたいと思い、途中からハタチ基金へ支援先を変更しました。」
▼桜美林高校成人式実行委員会 佐藤 奈桜様
「成人式を迎えるにあたり、新成人として何ができるかを考えた時に、自分たちも20年間支えてもらったという点でハタチ基金のコンセプトに共感した所があり、ハタチ基金にご支援させて頂きました。」
▼グラクソ・スミスクライン株式会社 執行役員 コミュニケーション部門 部門長 伊東 幸美様
「『ふくしまインドアパーク』に経済的支援をさせていただきました。また、社員から現地で何かできないかという声があり、2012年からは週末、『ふくしまインドアパーク』で、子どもたちと遊ぶボランティア活動をしています。これまで400名近くが参加し、大変好評でリピーターも多い活動となっています」。
▼合同会社西友 執行役員 シニア・バイス・プレジデント 企業コミュニケーション部 金山 亮様
「3年前、『郡山で遊ぶ場所を提供したい』と駒崎さんがTwitterでつぶやいていると社員のあるメンバーから相談があり、地元のお客様のお役に立つ事なので、一度会ってみようという話になりました。その後、(西友の店舗であるザ・モール郡山店に)『ふくしまインドアパーク郡山園』が2011年12月にオープンしました。来園者が3万人突破という事で、地域の活動にとけ込めている事に対して改めて喜び噛み締めています。『インドアパーク』をきっかけに地域貢献、社会貢献を積極的にやっていこうという機運が社内で高まっています。」
▼南相馬市役所 男女共同こども課長 山田 祐子様
「みなみそうまラーニングセンター」が徐々に地域に根ざしてきているのを感じており、単独の施設ではなく、学校との連携、福祉関係の事業所と連携できたらいいと思い、そういう会議を行ったりしています。今後も子どもに関わる人がみな手を取り合っていけたらよいと思っています。」
▼ハタチ基金呼びかけ人(個人の継続寄付者) 伊月 和夫様
「(震災前に)子どもたち2人が不登校になり、トイボックスにお世話になりました。自分の身になると、すごく大変だという事が身に染みてわかりました。その経験から、子どもに対して自分が何かできることはないかと考え、まず、フリースクールにてPTAに関わりました。また、震災以降は、これからの日本を支えるのは子ども、その子どもに投資したいという意味で、ハタチ基金に寄付をさせてもらっています。」
▼SAPジャパン株式会社 社長室 CSR担当 奥 奈保子様
「東北・児童・自立の3つを柱にCSR活動を行っており、すべての柱をカバーするCFC(チャンス・フォー・チルドレン)様の活動を昨年から支援をさせて頂いています。震災当初、まずは支援物資を社内で集めた所、200箱を超える物資が集まり、中には手書きの手紙も入っていました。社員が熱い想いを表明してくれた事がとても嬉しく、この活動を継続したいという思いから、社員アンバサダーチーム(ボランティアチーム)ができました。週に1回、会議を行って活動について色々と考えています。」
また、オープンマイクセッションの終盤では、評論家の荻上チキさん、乙武 洋匡さんからの
ハタチ基金へのビデオメッセージを紹介させて頂きました。
◆評論家:荻上チキさんからのビデオメッセージ
「今後は行政と連携しながら『避難訓練』に加えて、『支援リテラシー』をつけるための訓練が必要ではないかと考えています。また、NPOなどへの支援慣れを進めていくべきだと思っています。
ハタチ基金の活動は3年目という事ですが、復興支援には10年単位で物事を考えていく必要があります。その間に次の震災がやってくる事もあるでしょう。支援への知識を蓄えて行く事。そのために情報発信を意識しておこなう事をしていきたいと思っています。今後ともがんばりましょう!」
◆乙武洋匡さんからのビデオメッセージ
「自分自身、震災で様々なことを考えました。非常事態になると、自分ができないことを突きつけられ自分が弱者なんだなと感じたりします。しかし、僕の苦しみに比べれば、現地には本当に大きな課題、辛い思いをされている方がたくさんいらっしゃると思います。
そういった方々のために活動しているハタチ基金のみなさんに敬意を表すると共に、私自身、お力になれることがあれば是非させて頂きたいと思っています。」
以上の声をうけて、オープンマイクセッションのまとめとして駒崎は下記の様に述べました。
「ハタチ基金の活動を今後17年間続いて行くというのは、とても大変なこと。しかし、現場では課題が生まれ続けています。そのためには継続的な支援がかかせない、ぜひ、ともに戦い続けて頂きたいと思います。」
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最後に、ハタチ基金幹事・トイボックス代表の白井より、フォーラムの終わりの挨拶を述べさせて頂きました。
「今日は本当に様々な形で支援をいただいているみなさんにお集まりいただき、またすばらしいお話をいただきありがとうございました。
被災地で活動しながら、本当にこの活動でよいのだろうか?お邪魔でないだろうか?悩みながら事業を続けています。完全にはわかりきれないのも分かっています。それでも何とか寄り添いたい、という思いで活動してきました。そんなぶつけようのない想いをわかちあえるということ、そのみなさんがいることに支えられてここまできました。
20年経っても、子どもたちにそばにいるよ、よりそっているよって伝えたくて、がんばっています。今日はみなさんに励ましをいただきました。必要な支援を継続できるよう、これからもご支援よろしくお願いいたします。」
(レポート 終わり)